整体師資格の金銭売買

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2007年東京でのお話しです。

本人の承諾がないのに、整体師の資格証を送りつけて金銭を要求してくる事例がありました。

経緯

ルルドゲルマニウム株式会社 田中好信会長より、以下のように話を持ち掛けられ、資格証を渡された後に振込みを強要される。

どのような講習会なのか、またどういった類の資格なのか、金額についても一切の説明は無かった。

あとから、「金額は30万円/名のところを25万円/名におまけしてあげた。」と言い、
「ゲルマニウム治療院の経営には、カイロプラクテック整体師の資格があれば、開業できるから、自分も持っているし、うちの神田治療院の従業員全員が持っている、整体振興協同組合発行の資格証をもらってあげる。これは厚生労働省の認可を受けているから正当な資格だよ。また、この資格がないと開業できないんだよ。講習は後から受ければいいんだから。」と話した。

整体師資格証

田中好信会長は「同じ資格証を30枚以上持っており、皆に渡す。」と話していたし、「整体振興協同組合は儲かるから、3000万円で理事長の坂本氏から購入する。」とのこと。 また、「坂本氏に言って、もっと豪華な資格証にしなければ」とも話されていた。

この田中好信会長は2010年に「ゲルマニウムががんに効く」などとうたい、医療機器を無許可で販売したとして、逮捕されています。
以下は、当時(2010年)の記事です。

兵庫県警生活経済課などは6日、同県尼崎市の医療機器製造販売会社「ルルドゲルマニウム」実質経営者・田中好信容疑者(59)(兵庫県伊丹市)を薬事法違反(無許可製造販売)容疑で逮捕しました。
田中容疑者の逮捕容疑は、厚生労働大臣の許可を受けず、平成19年12月~21年1月、プロテックフジが製造した温熱治療器「Geジェネワン」を大阪市西成区の男性(34)ら3人に計約340万円で販売。和田容疑者は、無許可と知りながら温熱治療機器を田中容疑者に販売するなどしたとしている。 県警によると、田中容疑者は、がん患者らに温熱治療機器を販売する際、実際には効果が認められていないにもかかわらず、「細胞内の電荷バランスが整えられてがんに効く」などとうたって販売。ルルドゲルマニウムの社内で温熱治療機器などを使ってがん患者らの治療もしていたという。


整体師の資格証について、整体振興協同組合を管轄している、厚生労働省の医政局を始め、同省の健康局、総務省(自治行政局)、築地警察署、中央区消費者生活センター、公正取引委員会(景品表示監視室)、経済産業省(消費者相談室)に相談をしました。
結果、整体振興協同組合を管轄している、厚生労働省 医政局医事課 企画法令係に、所在地および連絡先を調査していただきましたが、登録してある住所に整体振興協同組合は存在しておらず、理事長の坂本氏の所在も不明でした。
すべて嘘だったのです。

整体師の資格とは

厚生労働大臣認可とは、どのようなものなのかを厚生労働省に確認しました。

整体師、カイロプラクティックというものは、国で認めている資格ではありません。ですから、ここでいう厚生労働大臣認可とは、協同組合を設立してもいいですよ。という認可です。
協同組合とは、中小企業あるいは、個人事業主が集まることによって、規模が大きくなり、各種サービスの提供や研修費用等を安く提供することができるというメリットがあることをいいます。 そのため、国に団体として認めてください。というものです。

整体振興協同組合の資格証は、特に意味はありません。資格証がなくても、誰でも明日から、整体師を名乗って開業することができます。今の法律では、他の法律(医師法など)に抵触しないかぎり、何ら問題はありません。
ちなみに厚生労働大臣認可(厚生労働省収健政第256号)の収健政第256号というのは、厚生労働省の中の「健政局」が整体振興協同組合から、組合を設立したいという、書類を受け取ったということを意味しています。
その受付番号が256だったということです。
ちなみに組織変更で、「健政局」は無くなり「医政局」になっています。